建設物価調査会

主要資材動向(東京)

  • 【特集】資材価格動向を知る
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    東京地区の主要資材の最新の価格動向を掲載しています。その他の品目については、「月刊 建設物価」、「Web建設物価」をご確認ください。

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2025年7月10日現在 東京

主要資材価格動向

主要資材動向

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品名品名規格単位価格前月比気配掲載ページ
異形棒鋼異形棒鋼SD295 D16t104,000
下落
弱含み
16
H形鋼H形鋼SS400 200×100×5.5×8mmt109,000
下落
弱含み
26
中厚板中厚板無規格品 16~25×1,524×3,048mmt131,000
下落
弱含み
40
カラー亜鉛鉄板カラー亜鉛鉄板0.35×914×1,829mm1,548
変わらず
横ばい
54
セメントセメント普通ポルトランド バラt18,000
変わらず
横ばい
79
レディーミクストコンクリートレディーミクストコンクリート18-18-25(20) 普通ポルトランド(17区)m323,800
変わらず
横ばい
92
再生砕石再生砕石再生クラッシャラン 40~0mm(17区)m31,150
変わらず
横ばい
129
管柱 杉(KD)管柱 杉(KD)3.0m×10.5×10.5cmm375,000
変わらず
横ばい
160
コンクリート型枠用合板コンクリート型枠用合板12×900×1,800mm 輸入品1,720
変わらず
横ばい
175
再生アスファルト混合物再生アスファルト混合物密粒度13(14区)t10,000
変わらず
横ばい
211
ストレートアスファルトストレートアスファルト針入度60~80 ローリーt97,000
上伸
強含み
219
ダクタイル鋳鉄管ダクタイル鋳鉄管内面エポキシ粉体塗装 水道用 GX形1種 75mm×4m28,400
変わらず
横ばい
285
フロート板ガラスフロート板ガラスFL5 2.18m2以下(特寸)m22,380
変わらず
横ばい
496
600V ビニル 絶縁電線600V ビニル 絶縁電線Ⅳ 1.6mm 単線m42.5
上伸
横ばい
539
配管用炭素鋼鋼管(ガス管)配管用炭素鋼鋼管(ガス管)白ねじ付き管 50A 4m7,340
変わらず
弱含み
654
硬質ポリ塩化ビニル管硬質ポリ塩化ビニル管VP100mm 4m4,950
変わらず
横ばい
688
軽油軽油ローリー116.0
変わらず
横ばい
788
鉄スクラップ鉄スクラップヘビーH2t32,500
変わらず
横ばい
794
矢印説明

<市況総括>

 国内の建設工事の統計資料によると、2025年6月の全国の公共工事請負額は、前年同月比で10.8%増加(建設業保証会社)、2025年5月の新設住宅着工戸数は、持家、貸家、分譲住宅が減少したため、前年同月比34.4%減少、民間非居住建築物着工床面積では事務所は減少したが、店舗、工場及び倉庫で増加となり、27.2%増加(国土交通省)となっている。一方、主要資材の需要動向は、小形棒鋼が5月の国内出荷量で前年同月比9.4%減少、H形鋼が11.6%減少(日本鉄鋼連盟)、生コンが6月の東京17区出荷量で14.9%減少(東京地区生コンクリート協同組合)、アスファルト混合物が5月の東京地区出荷量で2.0%減少(日本アスファルト合材協会)となっている。

 東京地区の主要10資材の価格動向は、600Vビニル絶縁電線が上伸、異形棒鋼、H形鋼が下落、セメント、生コン、再生砕石、コンクリート型枠用合板、再生アスファルト混合物、配管用炭素鋼鋼管(ガス管)、軽油の7資材が横ばいとなった。

 【電線】 IV1.6mm単線でm当たり42.5円と前月比0.7円の上伸。主原材料である銅相場の上伸を受け、メーカー各社は仕切価格を引き上げ、小幅上伸となった。目先、横ばいの見通し。

 【異形棒鋼】 SD295・D16でトン当たり104,000円と前月比1,000円の下落。需要低迷下でメーカー各社は適正利益確保のために現行価格維持の姿勢を崩していないが、流通筋が売り上げ確保を優先して販売価格を引き下げたことで続落。目先も弱基調の見通し。

 【H形鋼】 200×100でトン当たり109,000円と前月比1,000円の下落。荷動きは鈍く、市中在庫は増加傾向にある。主力電炉メーカーは販売価格を据え置いているが、売上げを優先した流通間の価格競争により続落。目先、弱基調の見通し。

 【セメント】横ばい。5月の国内販売量は、前年同月比8.4%の減少で前年同月を下回る状況は33カ月連続。需要が精彩を欠くなか、メーカー各社は現行価格を維持する構え。先行き横ばいの見通し。

 【生コン】 横ばい。建設現場の完全週休2日制導入や時間外労働規制強化の影響により、工事の遅延や延期となる物件が出ており、需要は盛り上がりを欠いている。協組は現行価格の維持に注力し、先行き横ばいの見通し。

 【再生砕石】 横ばい。メーカー各社は廃材の受入制限による在庫調整を続けているが、過剰在庫の解消には至らず。製造コスト増加分の価格転嫁を図るも、需要家は模様眺めの姿勢で交渉は本格化していない。先行き横ばいの見通し。

 【コンクリート型枠用合板】 横ばい。産地価格は、原木高などにより強基調で推移。流通筋は、仕入れコストの上昇を背景に価格の底上げを進めたい意向も、需要家は当用買いを中心に、慎重な姿勢を崩していない。先行き横ばいの見通し。

 【再生アスファルト混合物】 横ばい。舗装工事発注の減少が続き、商状は盛り上がりを欠いている。メーカー各社は、製造および輸送コストの高止まりにより値上げ姿勢にあるが、需要家は4月以降のストアス価格の下落などを理由に値上げに難色を示しており、交渉は平行線。先行き横ばいの見通し。

 【配管用炭素鋼鋼管(ガス管)】 横ばい。中小規模物件の不振から荷動きは精彩を欠いている。建設費高騰を要因とした工事計画の見直しが散見されるなか、流通筋は出荷数量を確保するため、一部で安値販売に応じる動きも見られる。先行き弱含みの見通し。

 【軽油】横ばい。中東情勢緊迫化の影響から原油相場は不透明な状況が続くとみられるが、政府による定額引き下げ措置に加え、予防的な激変緩和措置の実施により、目先、横ばいの見通し。

<市況(現況と見通し)>

  • 異形棒鋼

    圖師
    先行き気配

    ジリ安商状が続き、1,000円下落

     SD295・D16でトン当たり104,000円と前月比1,000円の下落。需要低迷が長引き、精彩を欠く商状が続いている。メーカー各社は適正利益確保のために現行価格維持の姿勢を崩していないが、荷動きがさえない状況が続く中で、流通筋が売り上げ確保を優先して販売価格を引き下げたことで続落した。需要回復の見通しは立っていないことから、先安観を一掃する材料に乏しく、引き続き買い手優位の状況が続くとの見方が大勢を占めている。目先、弱基調の公算が大きい。

  • H形鋼

    森中
    先行き気配

    需要低迷が長引き、続落

     200×100でトン当たり109,000円と前月比1,000円の続落。実需の乏しさから荷動きは鈍く、市中在庫は増加傾向にある。需給が緩和したことで先安観が強まるなか、流通筋が数量確保に動いたことで、下落した。主力電炉メーカーは販売価格を据え置いているが、流通間の価格競争から、売上げを優先した極端な安値販売も散見される。流通筋はこれ以上の価格競争は回避したい意向にあるが、需要の早期回復は期待薄との見方が強く、目先、弱基調の公算が大きい。

  • セメント

    川崎
    先行き気配

    出荷減少続くも、横ばい

     普通ポルトランド(バラ)でトン当たり18,000円と前月比変わらず。5月の国内販売量は、243万3千トン(協会調べ)で前年同月比8.4%の減少。前年同月を下回る状況は33カ月連続で、需要低迷に歯止めがかからない。需要が精彩を欠くなか、メーカー各社は品種拡大による設備投資費の増大が見込まれるため、現行価格を維持する構え。大口需要家である生コンメーカーも安定的な供給確保を優先し、セメントメーカーの姿勢に理解を示している。先行き、横ばいの公算大。

  • レディーミクストコンクリート

    川崎
    先行き気配

    現行価格を維持、横ばい

     18-18-20でm3当たり23,800円と前月比変わらず。6月の東京17区出荷量は、18万8千m3(協組調べ)で前年同月比14.9%の減少。建設現場の完全週休2日制導入や時間外労働規制強化の影響により、工事の遅延や延期となる物件が出ており、出荷量に影響している。需要は盛り上がりを欠いているものの、協組は骨材価格の先高観や輸送コストの増加を懸念しており、現行価格の維持を徹底している。需要家も協組の動きに一定の理解を示しており、先行き、横ばい推移の公算が大きい。

  • 再生砕石

    藤巻
    先行き気配

    さえない商状続くも、横ばい

     再生クラッシャラン40~0mmでm3当たり1,150円と前月比変わらず。新規の路盤工事は盛り上がりを欠く商状が続いている。一方、メーカー各社は廃材の受入制限を行っているが、過剰在庫を解消するには至っていない。メーカーは、出荷量の低迷や資機材価格の上昇などを背景とする製造コスト増加分や、運転手不足などを背景とする輸送コスト増加分を製品価格に転嫁したい意向にあるが、需要家は模様眺めの姿勢で交渉は本格化していない。先行き、横ばいの公算が大きい。

  • コンクリート型枠用合板

    飯島
    先行き気配

    産地高が続くも、横ばい

     12×900×1,800mm輸入品で枚当たり1,720円と前月比変わらず。5月の輸入合板入荷量は、17万m3(財務省調べ)で前年同月比10.6%の増加。新規物件が少なく、荷動きは精彩を欠く展開。一方、産地価格は、原木高に加え最低賃金引上げによる人件費の増加を受け、強基調で推移している。流通筋は、仕入れコストの上昇を背景に価格の底上げを進めたい意向も、需要家は当用買いを中心に、依然として慎重な姿勢を崩していない。今後、急速な需給環境の好転は見込めず、目先、横ばいの公算大。

  • 再生アスファルト混合物

    筒井
    先行き気配

    値上げ交渉継続も、横ばい

     密粒度13でトン当たり10,000円と前月比変わらず。4~5月の都内出荷量は、23万9千トン(協会調べ)で前年同月比2.0%の減少。舗装工事発注の減少が続き、商状は盛り上がりを欠いている。メーカー各社は、製造および輸送コストの高止まりによる採算悪化に危機感を強めており、製品価格に転嫁すべく交渉を続けている。一方、需要家は、4月以降のストアス価格が大きく下落していることを理由に値上げに難色を示しており、交渉は平行線をたどっている。目先、横ばいの公算が大きい。

  • ストレートアスファルト

    筒井
    先行き気配

    仕切価格引き上げが影響、2,000円上伸

     針入度60~80でトン当たり97,000円と前月比2,000円の上伸。石油元売り各社は原油相場の上昇を背景に仕切価格を引き上げ、販売店各社もこの動きに連動した値上げを実施。需要家の混合物メーカーは、抵抗を示しつつも調達への影響を避ける形で、値上げを受け入れた。足元の原油相場が上昇傾向であるため、石油元売り各社は仕切価格を今後さらに引き上げるとみる向きが多く、販売店は輸送コストなどについても合わせて値上げ交渉をしていく構え。先行き、強基調の公算が大きい。

  • 電線

    飯塚
    先行き気配

    荷動きは精彩を欠くものの、小幅上伸

     IV1.6mm単線でm当たり42.5円と前月比0.7円の上伸。中小物件向けの需要が振るわず、荷動きは精彩を欠いている。主原料である銅の建値は6月平均で146万円台と先月平均から3万円上伸し、7月上旬には150万円に達した。銅価格の高値推移を受け、メーカー各社は仕切価格の引き上げを実施。流通筋も採算確保を優先し、メーカーに追従したことで小幅上伸した。メーカーは製造コストの増加等による値上げの浸透を進めたい意向だが、需要回復の兆しは見られない。目先、横ばいの見通し。

  • 配管用炭素鋼鋼管(ガス管)

    徳永
    先行き気配

    需要低迷も、横ばい

     白ねじ付き管50A4mで本当たり7,340円と前月比変わらず。都心部で進行中の大型再開発事業のうち、いくつかが終盤に差し掛かり、中小規模物件の不振も重なり、荷動きは精彩を欠いている。建設費高騰を要因とした工事計画の見直しが散見されるなか、高炉メーカーは需要見合いの生産に取り組み、市中在庫量の適正化を進めている。流通筋は出荷数量を確保するため、一部で安値販売に応じる動きも見られる。今後も需要回復には時間を要するとの見方が強く、先行き、弱含みの公算大。

  • 燃料油

    髙木
    先行き気配

    原油相場は上昇も、国内市況は横ばい

     軽油はローリー渡しでリットル当たり116円、レギュラーガソリンはスタンド渡しで157円とともに前月比変わらず。中東情勢緊迫化による米国の核・軍事施設への攻撃などから地政学的リスクが高まり、原油価格は一時急騰したが、その後、暫定的な停戦合意が成立し反落。一方、国内は補助金により販売価格の変動は抑えられた。原油相場は不透明な状況が続くとみられるが、政府は定額引き下げ措置に加え予防的な激変緩和措置を実施し、高騰への備えを強化している。目先、横ばいの公算大。

  • 鉄スクラップ

    伊藤
    先行き気配

    需給とも盛り上がりを欠くも、横ばい

     ヘビーH2でトン当たり32,500円と前月比変わらず。市中スクラップの発生は依然として弱く、流通量は低水準で推移している。電炉メーカーは製品需要の弱さを背景に、需要に応じた生産体制を継続しているため、慎重な姿勢を崩さず、買い取り価格も現行水準で据え置かれている。一方の問屋筋も主要メーカーの動向を注視しつつ、手堅い購入姿勢を維持し様子見の構えを強めている。需給は縮小均衡の状態が続き、国内相場は大きな動きが見られない。目先、横ばいの公算が大きい。

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一般財団法人 建設物価調査会
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