建設物価調査会

主要資材動向(東京)

  • 【特集】資材価格動向を知る
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    東京地区の主要資材の最新の価格動向を掲載しています。その他の品目については、「月刊 建設物価」、「Web建設物価」をご確認ください。

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2025年6月10日現在 東京

主要資材価格動向

主要資材動向

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品名品名規格単位価格前月比気配掲載ページ
異形棒鋼異形棒鋼SD295 D16t105,000
下落
弱含み
16
H形鋼H形鋼SS400 200×100×5.5×8mmt110,000
下落
弱含み
26
中厚板中厚板無規格品 16~25×1,524×3,048mmt133,000
下落
弱含み
40
カラー亜鉛鉄板カラー亜鉛鉄板0.35×914×1,829mm1,548
変わらず
弱含み
54
セメントセメント普通ポルトランド バラt18,000
変わらず
横ばい
79
レディーミクストコンクリートレディーミクストコンクリート18-18-25(20) 普通ポルトランド(17区)m323,800
変わらず
横ばい
92
再生砕石再生砕石再生クラッシャラン 40~0mm(17区)m31,150
変わらず
横ばい
129
管柱 杉(KD)管柱 杉(KD)3.0m×10.5×10.5cmm375,000
変わらず
横ばい
160
コンクリート型枠用合板コンクリート型枠用合板12×900×1,800mm 輸入品1,720
変わらず
横ばい
175
再生アスファルト混合物再生アスファルト混合物密粒度13(14区)t10,000
変わらず
横ばい
211
ストレートアスファルトストレートアスファルト針入度60~80 ローリーt95,000
下落
弱含み
219
ダクタイル鋳鉄管ダクタイル鋳鉄管内面エポキシ粉体塗装 水道用 GX形1種 75mm×4m28,400
変わらず
横ばい
285
フロート板ガラスフロート板ガラスFL5 2.18m2以下(特寸)m22,380
変わらず
横ばい
496
600V ビニル 絶縁電線600V ビニル 絶縁電線Ⅳ 1.6mm 単線m41.8
上伸
横ばい
539
配管用炭素鋼鋼管(ガス管)配管用炭素鋼鋼管(ガス管)白ねじ付き管 50A 4m7,340
変わらず
弱含み
654
硬質ポリ塩化ビニル管硬質ポリ塩化ビニル管VP100mm 4m4,950
変わらず
横ばい
688
軽油軽油ローリー116.0
下落
弱含み
788
鉄スクラップ鉄スクラップヘビーH2t32,500
変わらず
弱含み
794
矢印説明

<市況総括>

 国内の建設工事の統計資料によると、2025年5月の全国の公共工事請負額は、前年同月比で4.0%増加(建設業保証会社)、2025年4月の新設住宅着工戸数は、持家、貸家、分譲住宅が減少したため、前年同月比26.6%減少、民間非居住建築物着工床面積では事務所、店舗、工場及び倉庫が減少したが、全体で増加となり、1.6%増加(国土交通省)となっている。一方、主要資材の需要動向は、小形棒鋼が4月の国内出荷量で前年同月比9.1%減少、H形鋼が16.7%減少(日本鉄鋼連盟)、生コンが5月の東京17区出荷量で12.8%減少(東京地区生コンクリート協同組合)、アスファルト混合物が4月の東京地区出荷量で6.4%増加(日本アスファルト合材協会)となっている。

 東京地区の主要10資材の価格動向は、600Vビニル絶縁電線が上伸、異形棒鋼、H形鋼、軽油が下落、セメント、生コン、再生砕石、コンクリート型枠用合板、再生アスファルト混合物、配管用炭素鋼鋼管(ガス管)の6資材が横ばいとなった。

 【電線】 IV1.6mm単線でm当たり41.8円と前月比2.1円の上伸。主原材料である銅相場が大幅に上伸したことで、メーカー各社は仕切価格を引き上げ、上伸に転じた。目先、横ばいの見通し。

 【異形棒鋼】 SD295・D16でトン当たり105,000円と前月比1,000円の下落。需要低迷下で主要メーカーは適正利益の確保を掲げ、現行価格の維持に努めているが、流通間の競争激化により、小幅下落となった。目先も弱基調の見通し。

 【H形鋼】 200×100でトン当たり110,000円と前月比3,000円の下落。影響の大きい中小建築需要は依然精彩を欠き、荷動きが停滞。流通各社による目先の数量確保を目的とした価格競争激化により、市況が下落した。目先、弱基調の見通し。

 【軽油】軽油はローリー渡しでリットル当たり116円と前月比8円の下落。OPECプラスの一部加盟国による自主減産の縮小を受け、需給緩和の見方が強まり、原油相場は軟調に推移。これに加え、政府の燃料油価格定額引下げ措置による補助金支給により、大幅に下落した。補助金の段階的な見直しにより、目先、弱基調の見通し。

 【セメント】横ばい。4月から打ち出した2,000円以上の値上げは、前年からの継続的な交渉により早期に打ち出し額は浸透した。メーカー各社は値上げで得た原資は、増大する設備投資費に充てるとしており、先行き横ばいの見通し。

 【生コン】 横ばい。出荷量は前年比大幅減と低調な状況が続く中、協組は2025年4月から3,000円の値上げを打ち出し、早期に浸透した。協組は現行価格の維持に注力し、先行き横ばいの見通し。

 【再生砕石】 横ばい。メーカー各社は廃材の受入価格の引き上げや受入の制限などによる在庫調整を続けているが、在庫量の減少には至らず。コスト増の価格転嫁を図るも、過剰在庫を抱える状況下で値上げの浸透には至っていない。先行き横ばいの見通し。

 【コンクリート型枠用合板】 横ばい。流通筋は現地の原木価格高騰を理由に価格の底上げを進めたい意向。一方、需要家は当用買いに徹しており、買い急ぐ動きは見られず、模様眺めの状況。先行き横ばいの見通し。

 【再生アスファルト混合物】 横ばい。需要は維持修繕など小規模工事向けが中心で商状は盛り上がりを欠いている。需要家はストアス価格の下落を理由に値下げを求めるが、メーカー各社は値上げ未達分があるとして、交渉は平行線。先行き横ばいの見通し。

 【配管用炭素鋼鋼管(ガス管)】 横ばい。労働者不足や資材価格高騰を背景に、工事計画の見直しが相次ぎ、商状はさえない。流通は現行価格の維持を目指すが、数量確保を優先した安値販売も散見される。先行き弱含みの見通し。

<市況(現況と見通し)>

  • 異形棒鋼

    圖師
    先行き気配

    流通筋の販売競争広がり、続落

     SD295・D16でトン当たり105,000円と前月比1,000円の下落。新規需要に乏しく、荷動きは精彩を欠く状況が続いている。メーカー各社は適正利益の確保を掲げ、強気の姿勢で現行価格の維持に努めている。一方、限られた取引のなか、数量確保を目的とした流通筋の販売競争は沈静化せず、安値取引が増加。原料の鉄スクラップ価格に反発の兆しは見られず、需要家は値下げ交渉を継続しながら当用買いに徹している。底値感の台頭にはなお時間を要するとの見方が強く、目先、弱基調の見通し。

  • H形鋼

    森中
    先行き気配

    需要低迷により販売競争激化

     200×100でトン当たり110,000円と前月比3,000円の下落。市中の荷動きへの影響が大きい中小建築需要は依然として精彩を欠いており、需給にタイト感は見られない。需要家は様子見姿勢を強め、当用買いに徹している。流通各社による目先の数量確保を目的とした価格競争は激しさを増し、一部では極端な安値も散見される。需給が好転する兆しはなく、先安観の払拭は期待薄。買い手側優位の状況が続くとの見方が大勢で、目先、弱基調の公算が大きい。

  • セメント

    川崎
    先行き気配

    現行価格を維持、横ばい

     普通ポルトランド(バラ)でトン当たり18,000円と前月比変わらず。4月の国内販売量は、262万7千トン(協会調べ)で前年同月比5.1%の減少。メーカー各社が4月から打ち出した2,000円以上の値上げは、前年からの継続的な交渉により早期に打ち出し額は浸透した。メーカーは、低炭素型混合セメントの品種拡大、販売開始を表明するなど、カーボンニュートラルの実現に向けた動きを強めている。値上げで得た原資は、増大する設備投資費に充てるとしており、先行き、横ばいの公算大。

  • レディーミクストコンクリート

    川崎
    先行き気配

    現行価格を維持、横ばい

     18-18-20でm3当たり23,800円と前月比変わらず。5月の東京17区出荷量は、18万8千m3(協組調べ)で前年同月比12.8%の減少。4月出荷分からの価格体系変更を含む3,000円の値上げは、需要家の理解を得たことで、打ち出し額が早期に浸透した。運転手不足に伴う輸送コストの増加や、骨材価格の先高観など、コスト増加への懸念は依然として払拭されていない。大型案件の引き合いが減少している状況に不安の声も聞かれるが、協組は現行価格の維持に注力している。先行き、横ばいの公算大。

  • 再生砕石

    藤巻
    先行き気配

    市中在庫は高止まりも、横ばい

     再生クラッシャラン40~0mmでm3当たり1,150円と前月比変わらず。新設の路盤工事需要が乏しいなか、都心部の再開発などの解体工事から発生する廃材により、メーカー各社の在庫量は高水準で推移している。メーカーは廃材の受入価格の引き上げや受入の制限などによる在庫調整を続けているが、在庫量の減少には至っていない。メーカーは輸送コストの増加などを理由に値上げ交渉を継続しているが、過剰在庫を抱える状況下での交渉は難航している。先行き、横ばいの公算大。

  • 木材

    甲田
    先行き気配

    ひっ迫感なく、横ばい

     管柱 杉(KD)3.0m×10.5×10.5cmでm3当たり75,000円と前月比変わらず。1~4月の東京都の新設木造住宅着工戸数は、14,174戸(国交省調べ)で前年同期比3.7%の増加となったが、流通筋では、4号特例見直しに伴う仮需との見方が強く、本格的な需要回復には至っていない。原木価格の上昇や製造・輸送コスト増加を背景に製品価格への転嫁を図りたい意向だが、住宅価格の上昇もあり、需要家は慎重な姿勢を崩していない。交渉は難航が予想され、先行き、横ばいの公算が大きい。

  • コンクリート型枠用合板

    飯島
    先行き気配

    需給にひっ迫感はなく、模様眺めの状況

     12×900×1,800㎜輸入品で枚当たり1,720円と前月比変わらず。4月の輸入合板入荷量は、18万7千m3(財務省調べ)で前年同月比7.2%の増加。入荷量は増加に転じたが、市中在庫に過剰感はない。荷動きの停滞感が強まる状況下、流通筋は現地の原木価格高騰を理由に価格の底上げを進めたい意向。一方、材料手当てが一巡した需要家は当用買いに徹しており、市中に買い急ぐ動きは見られない。需給にひっ迫感はなく、需要家、流通筋とも模様眺めの状況。目先、横ばいの公算が大きい。

  • 再生アスファルト混合物

    筒井
    先行き気配

    交渉進展せず、横ばい

     密粒度13でトン当たり10,000円と前月比変わらず。4月の都内出荷量は、12万9千トン(協会調べ)で前年同月比6.4%の増加。出荷量は前年同月を上回るものの、維持修繕など小規模工事向けが中心で商状は盛り上がりを欠いている。主原材料であるストアス価格が下落基調にあるため、需要家は製品価格の値下げを求めている。一方、メーカー各社は、値上げ未達分の交渉を粘り強く継続しており、価格交渉はこう着している。交渉に進展は見られず、先行き、横ばいで推移する公算が大きい。

  • 電線

    飯塚
    先行き気配

    荷動きは停滞感が強まるも、上伸

     IV1.6mm単線でm当たり41.8円と前月比2.1円の上伸。需要の大半を占める中小物件が乏しく、荷動きは停滞感が強まっている。主原料である銅の建値は、5月平均で143万円台と前月平均から6万円の上伸。銅の価格上昇を受けメーカー各社は仕切価格を引き上げた。流通筋もこれに追従し、売り腰を強めたことで上伸に転じた。メーカーは製造・輸送コストの増加などを理由に値上げを打ち出しているが、需要家の反応は鈍い。早期の需要回復は期待薄との見方が強く、先行き、横ばいの公算大。

  • 配管用炭素鋼鋼管(ガス管)

    徳永
    先行き気配

    需要回復の期待薄、横ばい

     白ねじ付き管50A4mで本当たり7,340円と前月比変わらず。大型再開発物件が市場を支える一方、労働者不足や資材価格高騰を背景に、工事計画の見直しが相次ぎ、商状はさえない。高炉メーカーは需要に応じた生産で在庫適正化を進めており、需要家も小口当用買いに徹している。流通は現行価格の維持を目指すが、一部取引では数量確保を優先した安値販売も散見される。市中の荷動きは鈍く、需要の回復には時間を要するとの見方が強い。先行き、弱含みの公算が大きい。

  • 燃料油

    髙木
    先行き気配

    定額引下げ措置により、大幅下落

     軽油はローリー渡しでリットル当たり116円と前月比8円の下落、レギュラーガソリンはスタンド渡しで157円と10円下落した。OPECプラスの一部加盟国による自主減産の縮小を受け、需給緩和の見方が強まり、原油相場は軟調に推移している。一方、国内では5月下旬から始まった政府の燃料油価格定額引下げ措置による補助金支給により、全油種で大幅に下落した。補助金額は毎週段階的に引き上げられており、6月中には定額に達する見込み。目先、弱基調の公算が大きい。

  • 鉄スクラップ

    伊藤
    先行き気配

    需給とも様子見で、横ばい

     ヘビーH2でトン当たり32,500円と前月比変わらず。世界最大の鉄スクラップ輸入国であるトルコの需要も落ち着きを見せ、米国の関税政策による影響に注目が集まるなか、国際相場はこう着状態が続いている。国内電炉メーカーは様子見の姿勢を維持し、調達価格を据え置いたまま。問屋筋も需要に見合った慎重な購入姿勢を保っている。一方で、国内外の鋼材需要は軟化傾向にあり、国内鉄スクラップ相場は緩やかに下落していくとの見方が大勢を占める。目先、弱含みの公算が大きい。

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一般財団法人 建設物価調査会
  調査統括部 調査統括課
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